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「ぼちぼちと京都」開設記念ミニフォーラム その5

「ぼちぼち」な暮らし方とはどういうことか、ゲストのおふたりと司会の丸谷、齋藤でディスカッションを行いました。

■忙しい毎日。「ぼちぼち」って難しい

丸谷:ぼくは今、世の中を変えないといけない、生き方を変えないといけないなと思っています。もちろん地球温暖化の問題を解決するためとか、ごみの問題についてもそうなんですが、今、何%削減するんだと言っているようなレベルではなくて、本当に思いきって変えないとだめなぐらい、危機的な状況になっているのではないかと思ってます。
「変えなきゃいけない」と言っておいて、ぼくが何をしているかというと、年間70回飛行機に乗って、北海道から沖縄までいろんなところに出張しています。二酸化炭素を出しまくって、しかも予定が詰まっていて結婚するまではほとんどホテル住まいのような暮らしをしていました。ぜんぜん自分は変われていない。以前にも増して忙しい中で、すごくひどい暮らしをしている感じでした。でもやっぱり、そういう暮らしを続けていたらだめなんじゃないかという感じがしています。
お二人の今の話を聞いていると、こういう生活の中とはちがう生き方、そのポイントを感じておられるんじゃないかと思いました。
この「ぼちぼちと京都」というサイトのタイトルですが、「ぼちぼち」って難しいんですよね。
どうして田中さんは、どうして加藤さんは、今のような暮らしをすることにしたのかが非常に興味深いです。田中さんはなぜ有機農業をされたのか、あるいは加藤さんはどうしてバリバリのOLを辞めて今の暮らしをするに至ったのかというきっかけを聞いてみたいと思います。それぞれどうでしょうか?

■ふと立ち止まって体が選ぶ方を選ぶ

田中:今、丸谷さんが言われたように、仕事となるとなかなか忙しかったりします。野菜を育てるにしたって、車やトラクターなしにはできないんです。けれど、さきほど話したように“自然の中に身を置く心地よさ”それが一番自分にとって大切なことだと思うんです。
やっぱり迷った時やどうしていいかわらかへんときには、あんまり頭で考えんと、体がこっちがええって思う方を選ぶようにしています。そうする方が何か大きな失敗がないようで・・・。あんまり儲からへんなぁ、こっちのやり方に変えた方が儲かるんと違うかなぁと思うよりも、ふと立ち止まって自分の中で考えてみる。すると、子どもはこの野菜の方が喜ぶやろうなとか、こっちの野菜を食べさせたいなと思う。そういう気持ちの方へ寄っていくようにする。そういうことが案外、心地よくゆったりと暮らすための秘訣じゃないかなというふうに思っています。

■七夕に気づかなかった自分―季節を感じよう!

加藤:前に身をおいていたコンピューター業界っていうのは本当に過酷なときは軟禁状態と言ってもいいぐらい帰れないことがありました。そんな暮らしの中で、やはり心を病んでいく方が出まして、私も仲の良い友人が深刻な心の病を抱えたことが一番大きなきっかけでした。その後、仕事をしているあいだまったく季節を感じずに暮らしていたなというのがよくわかった出来事がありました。ある町家に七夕の飾りが揺れていたんです。それを見たときに、「私は七夕を知らずに日々暮らしていた!」と気づいたんです。それをものすごくよく覚えているなあと、いま思い出しました。それを見たときに「あ、自分はこのままではあかんわ」と思いました。
京都はね、先ほど写真で紹介したように、季節を楽しもうという方が多くいらっしゃるので、できれば過去の私のように暮らしている人が、揺れる七夕飾りや、今の季節なら落ち葉をかいている方の姿を見て、何かこう・・・たぶん感度の高い方、こころの危機が迫っている方は間違いなくそういう場面を受けとめるはずなので、そういう自分に気がついてもらいたいなと思います。

■丸谷の悩み・・楽しさを妻に気づいてもらうには??

丸谷:ぼくは3年ほど前に結婚したんです。ぼくは環境問題にけっこう関心があって、そういう生き方をしているんですけれど、彼女は普通の人で、ファーストフードや大型ショッピングモールが好きなんです。ぼくがファーストフード店に行ってもいいのか?と思いながら、行くんですけど。彼女にとっては、安くって楽しいところなんです。季節を感じるという話もありましたけれど、今のショッピングモールではもうクリスマスの飾りつけがされ、クリスマスが終わった翌日にはお正月の飾り付けに変わって、というような作られた季節感というのもあったりします。今、お二人の話してくださったのは、どうもそういうものじゃないと思うんですね。
それでね、ぼくの妻に対してどうやって「ぼちぼちと」な生活の楽しさに気づいてもらえるのかっていう問題があるんです。何かいいアイデアありますか?

田中:あのねー、私の家内も私と結婚するまでは、空を見ること月を見ること景色を見ることがなかった、って言ってましたね。で、私があんまりにも空を見て「ああ、きれいや、きれいや」と言うもんやから、ふと空を見る。そんな機会が増えたように言うてます。
私もね、ショッピングセンターやファーストフード、行きますよ(笑)。やっぱりね、人が大勢集まるところは楽しいですわ。いろんな物が売ってあったりしてね。それはそれで、楽しいし、たまにはいいです。でも基本的には自然を身近に感じていたいなと思います。

■気づくことの面白さ、興味を持とう!アンテナを立てよう!

 

田中:それから、これから寒くなってきて新年を迎えると、まず梅が咲きます。で、3月3日、桃の節句があります。しばらくするとお花見があります。早春の三大お花といいますか、梅・桃・桜が咲くんですけれど、これね、ちょっとおかしいんですよ。まず梅が咲いて、次が何が咲くと思います?・・・・。これね、実は桜なんです。梅・桜・桃なんですよ。でも、今の感覚で言いますと、滋賀県長浜市で盆梅展なんかがあって、次に桃の節句があって桃を飾って、それで4月に入るとお花見。でもね、本当は桜よりも桃が後から咲くんですよ。
近所のおばちゃんが、枝豆の種をまくのに「桃が咲いたら、桃が咲いたときがまき頃や」って言わはるんですよ。桃が咲くとそのころはもう強い霜が降りないんですね。でも、桃が咲くのは3月3日だと頭で思いこんで、3月3日が終わってすぐ枝豆をまいたら一気に枯れてしまいます。人間が頭で考えている暦と、自然の本当の流れはちがうんです。さっき加藤さんの話にあった歳時記のカレンダー、ああいうのを見ながら自然を見るとよくわかると思います。そういう自分が知らなかったことに気づかせてあげる。知らなかったことに気づくのって面白くて、そういう興味を持たはるとまた違った方向へ行くんじゃないかなと思います。

丸谷:そうですね。加藤さん何かいいアイデアありますか?

加藤:もうね、歳時記カレンダーがおすすめです。これでウンチクも仕込めます。トイレに貼るだけ。とにかく貼ります。2つめは、箒(ほうき)です。掃除機をやめて箒に変えるだけで、とてもやさしい気持ちになるんです。掃除機でガーガーやると、家もなんかかわいそうちゃうかな、という気持ちになります。箒でなでてやる。と、本当に家をかわいがっている気持ちになるんですね。私も家族にははじめ嫌がられていたんですけれど、5年間箒を使ってきて、今でも箒オンリーです。
そしておすすめ3つめ。私も今こうやって偉そうに話をしていますが、こうやっていろんなことを誰かに伝えたいなと思って、いろんなことに気がつくようになったんです。誰かに伝えたいなと思うと、自分がまっさきにアンテナを立てないといけないと。また、「ぼちぼちと京都」サイトのユーザーになっていただいて、いろんな面白いことをしてはる方の存在を知ると、盛り上がると思います。一人ですると続かないけれど、みんなでやると続きますので、ぜひ真っ先に丸谷さんの奥さまにも「ぼちぼちと京都」をPRされて盛り上げていければと思います。

丸谷:いやぁ、ありがとうございます。でも難しいんですよね。どうしましょう? 齋藤さん、「ぼちぼち」生きてますか?

齋藤:(笑)総合司会の齋藤です。私はね、こういうタイトルのサイトを作っていながら、うちの妻から「あんたぜんぜん違うやん」と言われています(笑)。でも、心持ちはそういうふうにしたいと思っていますし、これから何とかそういう生活になっていければいいなと思っています。人が変わるっていうのはなかなか難しいですよね。

丸谷:そうですか・・・ぼくの相談会にしてしまいました(笑)。すみません。そうだなあ「ぼちぼち」生きるっていうことは一番難しいことなんでしょうね。
その一方で、省エネしなければいけない、ごみを分別しなければいけないというようなルールがあって、「エコ」という言葉だけがすごく先走っています。けれど、実は、ふだんの暮らしの中で気づいてできることっていっぱいあるんですよね。ふとしたことでも、いろんな場面にね。そういうことがなかなか見つけにくくなっているかなと思っています。

■おわりに 加藤さんから一言「いま持っている『宝』に気づく」

丸谷:さて、もう時間になってしまいました! 最後に一言ずついただきたいと思います。

加藤:今日は本当に貴重なお時間の中おつきあいいただいてありがとうございます。私は、本当に京 都 は楽しいなぁと自分で自分の写真を見ながら気持ちがいっぱいになってきました。「エコ」とかって、田中さんが先ほどおっしゃったみたいに、頭で考えると本当に難しく思ったり、もうできないなと思ってしまうんですけども、私がいろいろお手伝いさせていただいている方たちは、すごくいい物を自分の中に持っていらっしゃいます。ぜひ今の京都と、みなさんの持ってはる「宝」に、まず気づいていただきたいです。それが、先ほど田中さんがおっしゃったような、本当の意味での豊かなことで、それが、きっと環境をよくすることになると思う。人間が喜ばないときっと地球も喜ばないと思います。なんか勝手な言い方ですけども、本当にそうだなと思います。

■田中さんから一言「見栄をはらない、あるがまま」

田中:今日、そこに野菜を持ってきているんですけれど、自分の野菜を束ねてる帯にね「あるがままの京野菜」って書いてあるんです。その「あるがまま」っていうのが一つポイントになっていて、自分でもそういう生き方をしたいなあと思います。野菜もあるべくように育って、あるべくように育った野菜が、結局食べ物として一番いいんじゃないかな。「あるべくように」「あるがまま」っていうのは難しいんですけれど。さっき加藤さんがおっしゃられた、毎日お弁当を持って鴨川で食べているおばちゃんがいたら、変な人やなと思われるかもしれないんですけれど(笑)、自分なりでいいと思うんですよ。自分なりでね。
見栄を張ったりするっていうことが、環境にも負荷を与えているような気がしますね。自分で自分が楽しめたら、それこそ海外旅行に行くとかじゃなく、京都の中でデジカメ持って歩いてたら、それが楽しいと思えれば、そんなけっこうなことはないですしね。やっぱり「あるべくように」「あるがまま」ということをポイントにしておきたいと思います。

 

丸谷:ありがとうございます!なんか、すごく簡単なようで、すごく難しいような感じですね。毎日仕事をしていると、夕日を見る機会もぜんぜんなくって、いつの間にか電気を付けてそのまま残業をしてしまっているということもあって、なかなか難しいです。けど、ふと、雲や夕日を見られるように生きたいなあというふうに思います。

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