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Vol.010スモール イズ ビューティフル

スモール イズ ビューティフル

多目的カフェ「かぜのね」協同経営者
春山文枝さん
京都・出町柳にある多目的カフェ「かぜのね」を仲間とともに運営。20代は青年環境NGO「A SEED JAPAN」で活動・勤務し、30代は京都精華大学人文学部環境社会学科で教員をし、40代は「かぜのね」を拠点として楽しく暴れる予定。
●かぜのね ウエブページ>>http://www.kazenone.org/
書名/
スモール イズ ビューティフル
著者/
E・F・シューマッハー

 大学生になる頃に環境問題に関心を持ちはじめ、以来様々な活動に参加し続けている。きっかけはたぶんテレビで熱帯雨林の伐採がものすごい速さで進んでいるということを知ったことだったと思う。伐採によって、森に住んでいた先住民の人々をはじめとしたいわゆる途上国の人たちの生活に大きな影響を与えているということを知った時はショックだった。なぜならば、その森林の伐採に日本の商社が大きくかかわっていて、私たちの社会は湯水のように熱帯材を使っていることに気がついたから。さらにショックなのは、私たちの生活を支えているほとんどのものが森林問題と同じような構図で海外に依存していることがわかってきたことだ。

 大学生の頃の私は、「こんなの理不尽だ!」と強く思って、問題を解決する方法をない脳みそを使ってぐるぐると考え続けた。大学の授業も、私の問題意識に少しでも応えてくれそうなものを選んで取り出した。その中でも大きな期待を持っていたのが「開発経済」という授業。ところが先生が説明するのは、援助や開発によっていかに経済成長を達成させるかといった、これまでの路線を正当化する内容だったのだ。今でこそ、大きな声で「そういった考え方が環境や貧困の問題を悪化させていったんじゃないか!」と言えるが、その頃は先生が言うことは正しいはずと信じていたので、授業を受けながら悶々としていた。なんだか違うような気がする…と。

 そんな頃に一緒に環境問題にかかわって活動していた先輩から紹介してもらったのが「スモール・イズ・ビューティフル」だ。正直、読んでいても細かいことは理解できていなかった。わからないことだらけ。でも直感的に、これだ!と思った。

 今までの経済のあり方は違うと思ったけれど、ではどういう経済がよいのかと考えるとなかなか方向性が見えずにいたときに、こういう経済だったたらいいなと素直に思える道しるべをこの本は示してくれた。タイトルからもわかるように、規模の問題をはじめとしてエネルギーや教育、所有権の問題など様々なことを論じでいるが、中でも「中間技術」という概念が当時の私にはしっくりきて納得できたことを覚えている。大きければいいわけじゃない、適正な規模ややり方ってものがあるんだ。そういう方法を採用した方が豊かになる人たちも多いし、環境にも負担が少ないのではないか…。たぶんそのくらいの理解だったが、その時期にそんな方向性があるんだと確信を持てたことは、私のその後の生き方にとても大きな影響を与えた。

 実際今でもどういった経済、つまりライフスタイルや働き方、助け合いのあり方がありえるのかといったことを考え続けている。どんな方法がよいのかは、たぶん住んでいる地域や環境によって違ってくるのだと思う。私は左京区でのオルタナティブ経済を模索する日々が今、楽しくてしかたがない。
 
 

 

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