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Vol.027もりのてがみ


sunny mctdell(サニー・マクデル)
秋山 雅さん
1983年、香川県丸亀市生まれ。
京都造形芸術大学・ファッションデザインコース卒業。
ものづくり中に「畑カフェ・おいしい」との出会いをきっかけに畑を始める。
現在、京北の古民家で田舎暮らし3年目。食べる分の畑を耕し、草を摘んで薪調理の暮らし。
野菜や野草、野生肉を中心としたごはんやおやつをお届けしている。時折、手打ちうどん屋。
「お日様のもと、種を蒔くと出る」をいつもこころに。
書名/
もりのてがみ
著者/
片山 令子


今住んでいる家に引っ越したのが野草が咲きはじめるまだ肌寒い春でした。
左京区から京北に移って3年目の春、ご縁があって古民家へ。

引越しの途中で蕗の薹を摘み、移った先ではセリや三つ葉、土筆にノカンゾウ、ノビルやワラビが咲き乱れ心躍る日々。
さっとゆがいて和え物にしたり、漬けて保存食に、タンポポの葉は生でサラダに、と食べる事が本当に豊かに足りていることを実感しました。
市内でも畑は借りて野菜をつくったり採取したりしていたけど、暮らしの中にある畑や食を見つけるきっかけでもありました。
今日食べる分の草を摘んでからダンボールをあけて荷物の整理が始まる毎日で、落ち着くまでには時間もかかり、広い家で未だに手付かずのところもありながらも充実した日々です。

そんなある日、郵便で一冊の絵本が届きました。添えられた手紙には、この本をずっと私にプレゼントしたかった、と書かれていました。
私は外の陽のあたる暖かいところに腰掛けて読みました。
活動のきっかけになったというよりはいつもこころにある大切なお話です。



主人公のひろこさんは森のなかのおうちで寒い冬の日、いろんな友達に手紙を書きます。
りすやとかげ、小鳥やうさぎなど、一緒に遊んだ思い出を手紙にのせてもみの木にぶら下げます。ひとつ書いてはもみの木へ下げに行き、またひとつ書いてはもみの木へ。
「春になってすみれが咲いたらまた遊ぼうね」と。
雪が積もった間、手紙はぶら下がったままです。
強い風が吹き、春になってひろこさんはもみの木のところへ行くと、ぶら下がった手紙はひとつもありません。
風で飛ばされたのかと心配しながら過ごしていると、ある暖かい日、ひろこさんのおうちの前には木の実やお花が届いています。
みんなからの返事でした。急いで走って行くと、森にはすみれが咲き、もみの木の下にはりすやうさぎ、小鳥たち、手紙を書いたみんなが待っていました。
そして、ひろこさんが言いました。

「春になったね!」


この一文に私は感動して涙があふれ、この曲を思い出しました。

「The Rose」という映画の中での曲に次の詩があります。


……… 思い出してほしい
冬場の冷たい雪のずっと下では
種が横たわり
太陽の愛を浴びると
春には薔薇になるということを ………


春、夏、秋、冬といのちは絶えず巡っていること。
どんなことが起ころうとも種はお日様と共に芽を出して花を咲かせ、また種をつける。
来年もまた次の年も。
それは私にとってとてつもない勇気を与えてくれます。
畑で採れる野菜も野の草も私自身も同じ種だということを日毎感じながら暮らしたいと思います。

お話が私にとっては好きな曲と重なったり、引っ越して間もなく郵便で届いたりと思い入れのある本となりましたが、
絵本の中で描かれるひとつひとつの手紙の絵やひろこさんの言葉はとても可愛らしく、ぜひ手にとって読んでいただきたいです。

 

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